飯尾の駄文日記

広島東洋カープ 時々 東北楽天ゴールデンイーグルス ところにより一時 中国生活

カープ雑感[10/4]

4-6で敗戦.3点先制し,一旦は追いつかれたもののさらに追加点を奪って再び勝ち越し…た後に逆転されての敗戦でした.
これで2引き分けを挟んでの5連敗.借金は今季最多の13となりました.(というか2連敗で借金10となった時点で今季最多タイでしたので,この連敗が続く限りそれは更新されていきます)

今季カープ先発陣を支えてきたバリントン投手が,来日後 (今季) 最多タイの6失点と持ちこたえることができずに逆転となった試合でした.

これが中継ぎ陣の崩壊と同様に中4日で回してきたツケじゃなければいいのですが.
昨年の前田投手のように,NPB初年度というわけではなく (≠データが0だから活躍できた),統一球のように極端に飛ばないボールだったわけでもなく (≠ボールの影響で成績が向上した),強固なリリーフ陣に支えられているわけでもない状態で活躍できた選手が,もちろん疲労だけでの影響ではないでしょうが翌年に成績を落としているのです.
正直なところ,バリントン投手はデータが0であったことと,統一球による補正が決して少なくないと見ていますので,ここで今年の疲労を残しかねないような起用をしていると,来年はローテを守ることすらできなくなる可能性だってあります.



閑話休題,本日の試合は何と言うかドラゴンズとカープの投手力と起用の差が顕著に表れた象徴的な試合という印象です.
(まぁこの手の“○○の象徴”という表現はレアケースなどを持論に都合の良いように解釈してしまう,いわゆる我田引水のような見方に陥る場合も少なくないので,話半分にお願いします)

4回4失点で次の投手に交代したドラゴンズと,3回終了時点で3失点ながら6回まで投げさせてそこから逆転されたカープ
もちろんほぼ1年を通じて活躍してきた防御率2点台前半のバリントン投手と,半季近く登板の無かった防御率3点台の山井投手ではありますし,6回より前でバリントン投手を交代させるという選択肢はそもそも存在していなかったでしょう.
恐らく本当に結果論でものを言う人以外では,今日のバリントン投手を少なくとも6回の最初時点まで投げさせたこと自体を批判する人はほぼいないでしょう.
(ピンチを招いた後の交代期については異論があるかもしれませんが)
しかしながらそれが問題で,いくら年間通して安定していたとはいえリードを守れる気配の無かった投手が打たれたことに対して,「○○に変えれば打たれなかった」と言う意見が出ない (というよりは“出せない”といった方がより正確でしょうが),このこと自体が問題だと思います.
一昨年であれば,もし同じような試合展開で敗戦となれば,「6回からは梅津-横山-シュルツ-永川のリレーで勝てた」という批判が起きたことが予想されます.
しかしそれができない.
普通に考えれば今のカープの中継ぎ陣のみで1点リードを4回も保つことは極めて難しいからです.


一方のドラゴンズは1点リードされた時点で先発の山井投手を交代し,久本投手にスイッチ.
この久本投手は今季4試合9回に登板で防御率はちょうど3点,直近の2試合でも失点を喫しており,敗戦処理といっても差し支えないでしょう.
しかしその久本投手が2回を無失点に抑え6回裏に逆転.すると次イニングの先頭打者は投手となるところでしたが,勿論そんなことは気にすることなく継投に入ります.
7回は小林投手が2死をとった後にピンチを招いたわけでもないのに鈴木投手に交代してこのイニングを三者凡退に抑えています.そして8・9回は浅尾・岩瀬投手らのリレーにより,1失策による出塁を許したのみで無失点に抑えて勝っています.

振り返ると,4回で1点リードという時点で,ある意味勝負を半分投げているというか,ほとんど起用されていない久本投手を起用しているわけですから敗戦処理に入っているわけですね.
5回裏には久本投手を打席に立たせていますから,おそらく逆転が無ければもう1イニングは投げさせたのではないかと思います.
そしてその後リードを取った後は一転して勝ちパターンの投手を惜しみなく使い,確実に勝利を手にしています.


カープに再び目を向けると,7回は大島投手を起用していますが,その大島投手が2死ながら1・2塁にランナーを背負うピンチを迎えると梅津投手にスイッチしています.
その梅津投手はピンチを抑えますがその次の回には今井投手に交代しています.

ドラゴンズの極めて安定しているリリーフ陣に対し,2回で2点リードをひっくり返せると踏んだのでしょうか?
もしそう考えたのであればあまりにもその見通しは甘いと言わざるを得ませんし,そう考えていなかったのであれば,この数試合では比較的安定していた梅津投手をわざわざ負け試合で登板させたということになります.


要するにまだ4回終了時点1点ビハインドで既に敗戦を視野に入れながらなるべく勝ちパターンの投手を使わない試合展開を考え,リードを奪ったら一転して惜しみなく勝ちパターンの投手をつぎ込んだドラゴンズと,
残す攻撃は2回のみで2点ビハインドと言う状態にもかかわらず,直近の成績としては最も安定している投手の1人である梅津投手を2死からのピンチにつぎ込んだカープという構造なわけです.

もちろん元々の投手陣の層の厚さが違うことも大きいとは思いますが,こういう投手起用の積み重ねが先に書いた先発交代のタイミングをも遅らせる遠因となっているのです.
そしてここ数日の連敗の主因である中継ぎの崩壊はこのような投手起用の積み重ねが直接の原因と言っても問題ないでしょう.


ここにきても自らの問題点を振り返ることなく相変わらずの投手起用を続けるカープに対し,これまでの配慮によって勝ちパターンの投手陣がここにきてより強固になってきているドラゴンズ.
そのコントラストはあまりにも強烈であり,…そして残酷です.


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