飯尾の駄文日記

広島東洋カープ 時々 東北楽天ゴールデンイーグルス ところにより一時 中国生活

2010年のカープ雑感(上)【いらないことで敵を作る野村監督】

今更ながら昨シーズン(およびその前年)にカープを見ていて思ったこと等々について書こうかなと思います.
いい加減,カープファンってことを忘れそうになるぐらいカープについて書いてなかったですし.
多分3つの記事を書く予定です.
何故今かといえば,シーズン直後に書けばかなりネガティブにしか書けないだろうなと思っていたので,少し頭を冷やすつもりで時間を置きました.しかしもう来シーズンも始まるのでその前に総括をしておきたかったので.
(本当は年末までに纏めよう→纏められず…→キャンプインまでに纏めよう→纏められず,の繰り返しで今日までずれこみました…)
それでもやっぱりネガティブな意見がほとんどですけど.
※かなり辛辣な表現などが入ります.また当然ながらだいぶ前の出来事について触れます.そういった意見が不快な方はスルーをしてください


最初は野村監督の印象について書きます.
そもそもチームの成績としては,この低迷は予想していたので,ただただ故障選手に少ないようになること.
それだけを祈っていたシーズンでした.

その上で,野村監督に対しての感想を一言でいえば「最悪過ぎる」といったところでしょうか.

先程も述べたように,就任前および直後の言動から,こと投手に関しては成績が落ちる可能性はかなり高いと思っていました.
監督・ヘッドコーチの方針等は,いわゆるブラウン批判派(ファンやマスメディア,OB等)が主張していた内容と被っていましたし,そういった主張には辟易していたので,実際やってみればわかるだろう,逆にちょうどいい機会だろう,とも思っていました.
前監督時代,頻繁に批判されていたこととしては,
「外人選手を使わずにもっと機動力のある選手を使え!」,「永川を抑えから外せ!」,「先発100球制限は廃止しろ!」
などですが,これらを実行して成績が落ちれば,その有効性についてわかってもらえるかな…と.
(この辺りに関する自分の考えは過去記事で書いています)

ところが実際には,なんというか…,それ以外の必要のないところでも反発を引き起こしている始末.
簡単に上げるだけでも,

・ルール無知による継投ミス
いつだったか調べる気力もありませんが,2度マウンドに行って交代できなくなる…でしたっけ?
なかなか見ないミスをしでかしていましたね.
・度の過ぎた左右病
どんな監督でも左右は気にしますし,あんまりそれのみで批判することは無いのですが,それを勘案しても主力級に控えを代打に出すなど,理解しがたい面が多かったです.
・ファン感での挨拶無し
一言挨拶あるだけでも何割かのファンは擁護に回ったかと思うのですが….

とまぁいろいろと….これ以外にも成績と相まったというのももちろんあるでしょう.
例えば散々言われたベンチの仏頂面などは,もしチーム状況さえ良ければ,厳しい監督によって緊張感があるからチームが強くなった!って好意的に解釈してくれるようになりますから.
でもやはりそれ以外の面で,あまりにもいらない言動ミスが多かった.

去年ブラウン監督を強く批判していて,「普通の監督ならAクラスは簡単だ!」って主張していた人たちは,どのみち今季の成績が低迷しても,
「野村がブラウンより無能なだけだ!」とか「ブラウンが甘やかしたせいで選手が猛練習に耐えられなくなったんだ!」
と強弁するだろうなぁと思っていたのですが….
あまりにも野村監督個人の監督としての言動に問題がありすぎて,本当にブラウン監督の戦略との比較ができる段階ではないのですよね.個人的には.
せめて普通の采配と発言,ファンに対する渉外をした上で,機動力や先発と抑えのみの重視をしてもらい,
その結果が悪ければカープの「機動力幻想」や「先発完投幻想」が壊れるのではないかと期待していたのですが….
野手に関しても,「機動力重視」をもっと前面に押し出してくるかと思っていたら,4~6番には長打力のある選手を配置するという割と普通の打線を組むことが多かったですからね.

そういう意味でも本当に「最悪過ぎた」というのが個人的な感想ですね.

残ったのは壊された投手陣のみ…だなぁ,と.

ちなみに,「今年は,投手はともかく,打線は改善された」という意見を偶に耳にしますが,
データをみる限り,セ・リーグは全体として失点・得点ともに増加しています.
大きな選手の移動もありませんでしたし,ここ数年の数字に対して突然の変化ですから,
普通に考えればボールの影響が大きいでしょうね.
リーグ全体の得点増加率と比較した上で考えれば,今季のチームの得点は昨年に比べて微増といったところでしょうか.
この傾向を勘案しても失点の増加率はリーグ平均を大きく上回っていますがね.
それに何よりも投手整備の方が野手整備の何倍も時間がかかる.


今シーズン「カープを強くする」という観点からは野村監督に対する期待はほとんどありません.
失ったものがあまりにも大きく,ブラウン監督が4年かけて築き上げてきたものを発った1年で壊しつくしてしまいましたから.
今年のキャンプを見ていると,投げ込みをしない福井投手が「マイペース調整」と必要以上に報道される.
昨年の失敗を経験にしてマイペース調整を許容しているように言われていますが,
投げ込まないことを許容する」ということは裏を返せば,
投げ込みをする状態がニュートラルな状態である」という考えが根底にあることに他ならないのですよね.
結局,昨年の教訓は深いところにまではしみ込んでいない.
もし福井選手が結果を出せなければ…,あるいは前田選手が昨年に比べて成績を落とせば…,
他の選手の成績を棚に上げて,「投げ込みをしないから結果が出せなかった」という論調の人が出てくる気がしてなりません.

監督・コーチの修正能力がどれくらいあるのか,
自分の常識」を変えることは可能なのか,
そしてそれにはどれくらいの労力がいるのか,
そういう観点から,ベンチだけでなくマスメディアやOB,ファン,フロントがどのような結論を出すのかに注目してみています.

とはいえ,自分の考えが全て正しいとは思えませんし,自分がブラウン監督を高く評価していることから,その反動で現状を過小評価している可能性も十分考えられます.
そういう意味で自分の常識を壊すような結果が出れば,それはそれで興味深いです.

次の記事ではこの常識というやつについて書きたいと思います.