飯尾の駄文日記

広島東洋カープ 時々 東北楽天ゴールデンイーグルス ところにより一時 中国生活

2010年のカープ雑感(中)【常識と頭の固さ】

前記事の続きです.

自分は中国地域に住んでいるわけではないので,カープOBの解説などを聞く機会はそれほどありません.
そのためOBの考えなどはネット上の記事や新聞・雑誌などから入手するものが大半になるので多少偏っているかもしれません.
その前提の上での話にはなりますが,カープOBにはいわゆる「カープ常識」,すなわち投げ込みや先発完投,猛練習にこだわる方が多い印象を抱いています.
入手できる情報による限り,佐々岡氏もこの考えに囚われている一人のように見受けられます.
個人的にはこれが驚きです.

氏のファンだから…といった理由ではなく,「常識」というものの形成に関する驚きです.
・自身が所属していたチームの投手陣は,その大半がカープの常識に従った練習をしており,その結果ほぼ常に低迷していた.
・晩年にブラウン政権でも選手としてプレーをしており,その手法について肌で学ぶ機会があった.
にもかかわらず,その常識未だに強い疑問を抱いている様子がない.
すなわち,30歳頃までに形成されてしまった常識にずっと囚われているということになります.
老人は頭が固い,団塊の世代は自分の意見を曲げない,などと言ったり思ったりしている若者は少なくないと思います.
しかし佐々岡氏が自分のそれまでの常識以外の考えに出会ったのはまだ30歳頃のはずです.
それでもその修正ができない.
もちろん,
・自身に加え,大野豊という強烈な成功体現者が身近にいたこと.
・プロ野球選手の多くはその人生の大半を野球に費やしており,場合によっては20代半ばから本格的にその仕事に携わることも少なくない一般人とは一概に比較できない.
・広島のファンやメディア,球団自体がこの常識を強く信望しており,常にそういう物に囲まれていた.
などの要因はあります.
また,当然ながら個人の資質や性格,経歴によるところも大きいでしょう.
例えば投手になったのもプロ入りしたのも比較的遅い広池氏は,ブログなどを見る限りではブラウン政権のブルペン運営に一定の理解を示しているように窺えます.

しかし一度染みついた常識の何と恐ろしいことか.
決して年齢の問題ではないのです.


個人的に好きな言葉,というか意識している言葉として,
人は18歳までに覚えた偏見を常識という
という言葉があります.
初めてこの言葉を見たは,ほのぼの系の4コマ漫画で,
とある話にタイトルとして使われていただけでそこまで重要に使われている言葉ではありませんでした.
調べてみたらもともとはアインシュタインが言った言葉だそうですね.

初めて見た時に妙に納得してしまったことを覚えています.

自分は人と話をする時にはこの言葉を頭に置いています.
自分はまだ30にも至っていない若輩ですが,
常識を知っていると高をくくったり,
まだ頭が柔らかいから新たな常識を受け入れることができると言っていたりすると,
いつ古い常識に囚われてしまうかわかりません.

常に自分の常識や考えを疑うこと,
また,
自分の常識と相いれないものだとしても他人の常識や考えを少なくとも検討すること,
これらが重要なことだと思います.

さぁ,今年のカープは,自分の常識を壊すような結果を出してくれるでしょうか?