“普通の采配”って何だろう?
最近,カープの試合を見ていて懐かしいフレーズをよく耳にするようになりました.
カープの野村監督の起用を指して「“普通の采配”をすれば今頃Aクラスに入れる」などといった類のものですね.
2008~2009年頃のブラウン政権下でもよく耳にしたフレーズです.
“普通の采配”って何だろうという気持ちとともに,個人的に思うのは,
「投手起用についてはまだ采配で勝ち負けが変わることはそれなりにありえても,野手起用が直接的に大きく影響を及ぼすことはあるのかな?」
といった感想です.
少なくとも今期の起用で,あそこの采配をこうしていれば,“高い確率で”勝てていただろうと思うのは例のミコライオ投手を抑えに起用した試合くらいだろうと思いますね.
野手起用,特に代打策なんかは,以前に書いた通り (得点力のはなし2参照),勝利確立自体が大きく変動するとは思えませんし,「選ばなかった選択をしていればビハインドから逆転できていた」というのは都合の良い見方だろうと思います.
(念のため書いておきますが,代打策などについて議論するのは構わないと思います.自分も考えたり議論すること自体は好きですしね.
ただ,違う選択肢であれば高い確率で成功していた,と考えるのはどうでしょうかという話です)
数日前のチャンスで前田選手を起用しなかった件についても,「それを選択していればどうだっただろう」という議論はわかりますが,「前田選手を起用していれば勝っていた」として, (頭の中で想定した) 星勘定に加えるのはどうだろうと思います.
バントが多いなどと叩かれてもいますけれど,では他の選択肢が選べるかと言えば疑問符が付きます.
前にも書いた通り,盗塁の成功率はあんなもの (カープ雑感['12.05/15]【交流戦前までの成績】) ですし.
あるいはエンドランなどもありえますが,それが決められるような技術を持っているのであれば,安打ももう少し打てるでしょうしね.
ノーサインでもチャンスに打てないような選手がエンドランを決められるかと言えばやはり疑問です.
まぁバントを批判するのであれば,昨日の初回に小窪選手がバスターを試みたものの併殺打になってしまったことなどは,「結果は残念だが狙いは良い」という意見が出て然るべきだとは思いますが,そういった意見は目にせず.
昨季の前半に高い得点力があった時もバントは多かったはずですが (それもチーム内で打率の高い梵選手の儀打が多い),それ自体は批判されていませんでしたしね.
結果論なのだろうなとは思います.
現在カープは借金5ですが,結果論から見ても,件のミコライオ投手の起用と,堂林選手への守備固めをきちんとしていれば,良くて借金1かな?というところです.
少なくとも今季のカープが野村監督ではなく,“普通の采配”をする監督であったとしても,Aクラスに入ったり貯金ができていただろうとは思えません.
ちなみに昨季も,青木投手や今村投手などの連投・イニング跨ぎについて,投手起用をかなり批判しましたが,それが無かったらAクラスに入れたとも思ってはいません.
統一球の下,役割分担を明確にした起用していれば,秋の大失速がなく,Aクラス入りの可能性がある程度高まった,
と言うところかなと思います.
“野村謙二郎のせいでカープが勝てない”というのには同意ですが,それは監督として今季の起用がどうのこうのと言うより,
1) 過去2年間の無計画な投手起用により,戦力になっているはずの中堅~ベテラン投手を悉く使えない状態にした
2) 評論家時代に,ファンや球団の雰囲気に迎合して長打力批判と機動力野球への称賛を行ったことにより,野手陣の多様性を著しく損ねた
以上2点だろうと思います.
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