チームの防御力=守備力:投手力=??%:??%
カープの4選手がGG賞を受賞しました.
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ゴールデングラブ賞に最多4人 24年ぶり球団タイ (中国新聞)
http://www.chugoku-np.co.jp/Carp/Cw201011120106.html
(略)~セ・リーグは広島からチーム別で最多の4人が選ばれ、前田健太投手、梵英心遊撃手、広瀬純、赤松真人の両外野手がいずれも初受賞となった。
広島から4人の選出は1986年以来、24年ぶりで球団最多タイ。~(略)
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イーグルスの嶋捕手も初受賞ということで,あまり明るい話題がなかった今季の中ではうれしいニュースとなりました.
(それにしてもラミレス2票はないだろう…)
と同時にチームの防御力の中での守備力の比重について改めて認識することとなりました.
以下に今シーズンのセ・リーグの各チームの失点,失策および防御率を列挙します.括弧内はGG賞受賞者の人数です.
2010年
ドラゴンズ :失点521 失策 91 防御率3.29 (0人)
タイガース :失点640 失策 82 防御率4.05 (2人)
ジャイアンツ :失点617 失策 100 防御率3.89 (0人)
スワローズ :失点615 失策 79 防御率3.85 (2人)
カープ :失点733 失策 82 防御率4.81 (4人)
ベイスターズ :失点743 失策 78 防御率4.88 (0人)
防御率が最も優秀なドラゴンズはGG賞受賞者が0で,失策数もリーグワースト2位です.対して,失策数リーグベストのベイスターズと,リーグ最多4人のGG賞受賞者を擁するカープが,それぞれチーム防御率ワーストとワースト2位という結果です.
当然のことながら失策数やGG賞が守備力の絶対的な指標と言い切れるわけではありませんし,スワローズのように失策数が少なくチーム防御率もそれなりというチームもあります.しかし,これらの数値とチーム防御率の間に少なくとも大きな相関があるようには見えません.
しかもカープに関しては守備的に重要であるセンターラインのうち2つのポジションでGG賞を占めています(青木選手も主にセンターを守っていますのでセンターの捉え方は若干の問題がありますが).にもかかわらず,今シーズンのカープは戦後まもなくの頃のチーム創成期に比較しうる記録的な投壊を起こしました.
これは,チームの防御力に対して,投手力がいかに大きな比重を占めているかを端的に表しているものと考えられます.
しばしば散見される意見の一つに,守備は大事であるから野手の選定には守備力を重視した方がよいというものがあります.いわく,高い守備力を持った野手がバックにいれば投手も安心して投げられるために投手に好影響を与えると.しかし,今シーズンのデータをみれば,野手の守備力が投手に与える影響というものの小ささがみえてきます.
今シーズンの事例のみを捉えて評価するのは早計かもしれませんが,過去の多くの例をみても,防御力が高いチームというのは少なくとも一定レベルの投手力を抱えていなくては機能しません.
もちろん打撃も守備も一流の選手がいればその選手を使えばいいですが,どちらか一芸に秀でた選手,あるいは両方ともそこそこといった選手が複数いる場合にはバランスを考えて野手を編成しなければならないということです.
こんな極めて当たり前のことを書いたのは,特にカープのファンやフロント,OB,そして首脳陣にはこの当たり前のことさえ気づいていないのではないかと思うことがあるからです.
以前にいつも拝見させて頂いているブログのコメント欄でも書かせて頂いたのですが,カープ関係のマスメディアやファンなどの間では守備力・走力を過大評価し,長打力を過小評価する傾向がみられます.
自分自身も足を絡めて重量打線を倒すという柔よく剛を制すような構図にはしびれますが,それがチームの勝利のために最適化されたものかどうかは別問題.
他球団の一歩先を行くような先進的かつ計画的な球団運営をお願いしたいと思います.
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ゴールデングラブ賞に最多4人 24年ぶり球団タイ (中国新聞)
http://www.chugoku-np.co.jp/Carp/Cw201011120106.html
(略)~セ・リーグは広島からチーム別で最多の4人が選ばれ、前田健太投手、梵英心遊撃手、広瀬純、赤松真人の両外野手がいずれも初受賞となった。
広島から4人の選出は1986年以来、24年ぶりで球団最多タイ。~(略)
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イーグルスの嶋捕手も初受賞ということで,あまり明るい話題がなかった今季の中ではうれしいニュースとなりました.
(それにしてもラミレス2票はないだろう…)
と同時にチームの防御力の中での守備力の比重について改めて認識することとなりました.
以下に今シーズンのセ・リーグの各チームの失点,失策および防御率を列挙します.括弧内はGG賞受賞者の人数です.
2010年
ドラゴンズ :失点521 失策 91 防御率3.29 (0人)
タイガース :失点640 失策 82 防御率4.05 (2人)
ジャイアンツ :失点617 失策 100 防御率3.89 (0人)
スワローズ :失点615 失策 79 防御率3.85 (2人)
カープ :失点733 失策 82 防御率4.81 (4人)
ベイスターズ :失点743 失策 78 防御率4.88 (0人)
防御率が最も優秀なドラゴンズはGG賞受賞者が0で,失策数もリーグワースト2位です.対して,失策数リーグベストのベイスターズと,リーグ最多4人のGG賞受賞者を擁するカープが,それぞれチーム防御率ワーストとワースト2位という結果です.
当然のことながら失策数やGG賞が守備力の絶対的な指標と言い切れるわけではありませんし,スワローズのように失策数が少なくチーム防御率もそれなりというチームもあります.しかし,これらの数値とチーム防御率の間に少なくとも大きな相関があるようには見えません.
しかもカープに関しては守備的に重要であるセンターラインのうち2つのポジションでGG賞を占めています(青木選手も主にセンターを守っていますのでセンターの捉え方は若干の問題がありますが).にもかかわらず,今シーズンのカープは戦後まもなくの頃のチーム創成期に比較しうる記録的な投壊を起こしました.
これは,チームの防御力に対して,投手力がいかに大きな比重を占めているかを端的に表しているものと考えられます.
しばしば散見される意見の一つに,守備は大事であるから野手の選定には守備力を重視した方がよいというものがあります.いわく,高い守備力を持った野手がバックにいれば投手も安心して投げられるために投手に好影響を与えると.しかし,今シーズンのデータをみれば,野手の守備力が投手に与える影響というものの小ささがみえてきます.
今シーズンの事例のみを捉えて評価するのは早計かもしれませんが,過去の多くの例をみても,防御力が高いチームというのは少なくとも一定レベルの投手力を抱えていなくては機能しません.
もちろん打撃も守備も一流の選手がいればその選手を使えばいいですが,どちらか一芸に秀でた選手,あるいは両方ともそこそこといった選手が複数いる場合にはバランスを考えて野手を編成しなければならないということです.
こんな極めて当たり前のことを書いたのは,特にカープのファンやフロント,OB,そして首脳陣にはこの当たり前のことさえ気づいていないのではないかと思うことがあるからです.
以前にいつも拝見させて頂いているブログのコメント欄でも書かせて頂いたのですが,カープ関係のマスメディアやファンなどの間では守備力・走力を過大評価し,長打力を過小評価する傾向がみられます.
自分自身も足を絡めて重量打線を倒すという柔よく剛を制すような構図にはしびれますが,それがチームの勝利のために最適化されたものかどうかは別問題.
他球団の一歩先を行くような先進的かつ計画的な球団運営をお願いしたいと思います.