再度,【カープに不足しているのは野手か投手か?】
以前に書いた記事と内容的には似たようなものですが改めて.
統一球について3 【カープに不足しているのは野手か投手か?】
8月時点での記事なのでデータは異なりますが,要旨は現在でも通用すると考えます.
カープについて「昨季は投手陣は頑張ったが野手陣の得点力不足で低迷した」,という認識がファンの間では主体なのではないかと疑っています.
確かに昨季の成績は一昨季に比べて,得点・失点共に減少しています.
ですが,セパ得失点の変化を見ればわかるように,統一球の影響で全チームともに得失点が減少しています.
そして忘れてはならないのが,先発陣は前田・バリントン投手ら,リリーフは青木・サファテ投手らと言った特定の投手に過度な負担がかかった状態でこの成績なのです.
そしてその特定の投手たちですら,例えば青木投手と今村投手の防御率はそれぞれ,3.27,4.69です.
先発時の防御率や特に打ちこまれた日の失点を差し引いたとしても,統一球の影響 (およそ+1点) を考えれば,他チームではサファテ投手以外は敗戦処理レベルでしょう.
他にも,昨季ローテを守ったという実績から,今季は普通に先発ローテとして計算されている福井投手ですが,防御率は4点を超えていますから,統一球かでなければローテを外れる期間があったでしょう.
ここからは再録になりますが,
統一球効果により見掛け上は投手成績が大きく向上しているように見え,逆に野手は酷い状態になっています.しかしこれまで述べてきたとおり,現状カープに大きく不足しているのは投手陣なのです.
もちろんこれはあくまで相対的なものであり,カープの野手が充足しているとは言いません.
ですから当然野手にも何らかの補強は必要ですが,一方で統一球による成績の変化を無視あるいは軽視した論調には強い危機感を覚えます.
仮に今季オフに「投手陣のコマは揃いつつあるから野手の補強を中心に行う」といった理屈で投手の補強が疎かになるようなことがあれば….
現時点で統一球への対応が始まっている兆しがあることに加え今季のチーム防御率を大きく良化させているバリントン・サファテ選手らがいなくなる可能性も高いでしょうから,来季以降に凄惨な状況になることも予想されます.
この感覚のずれは,ファンレベルから球団レベルに至るまで早急に是正される必要があると感じています.
上記のように野手にも当然補強は必要です.
個人的にはカープの得点力不足は編成レベルでの構造的な問題によるところが大きいと考えているので,これを根本的に解決するのには長い時間が必要です.
ですがその一方で得点力は数人の選手の加入や覚醒,あるいは偶然によって一時的に良化することは有りえます.
例えば昨季の初頭はカープの得点力は低くありませんでした.
また野手が不足していても勝ちにくくなるだけであり,他の選手に怪我をさせる様な強い負担を強いることも有りません.
対して投手力の改善はそう簡単に成せません.
一昨季のカープでは前田投手がずば抜けた活躍をしましたが,それでもチーム防御率はリーグで下位に沈んだように.
加えて投手力の不足は,昨季のカープのように信頼できる投手へ過度な負担を強いることへと繋がります.
幸いにも前記事で心配したような,バリントン・サファテ投手らが退団するという事態は今季は発生しませんでした.
ですが,いえ,だからこそ今のうちに投手力を整備する必要があるのです.
既存戦力の変わらぬ活躍・新人投手の躍進・実績の無い投手の順調な成長・怪我をした投手が稼働,といったことが複数重なるということは簡単には起きません.
このような確度の低い予測に基づいて投手王国復活などと言う前に考えなければいけないことがあるはずです.
現在までのところ,前記事で危惧していた通りの流れになってしまっています.
改めて,この感覚のずれは,ファンレベルから球団レベルに至るまで早急に是正される必要があると感じています.
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