飯尾の駄文日記

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STAP細胞について雑記の追記 陰謀論?

ネットを見ていると,陰謀論を疑う声が多いことに少し驚いています.

 

昨日書いた通り,STAP細胞由来の細胞とされた写真に誤りであった以上,そもそも件の論文はSTAP細胞の存在を証明できていないということにしかなりません.

仮にSTAP細胞が実在していたとしても,それを証明する論文は新たに投稿される別の論文のはずです*1

 

まぁ仮に陰謀だったとしても,わざわざ足を掬ってくれと言わんばかりの杜撰な論文である点*2は良いのか?と思いますが.

 

  

一般論で言うと,ないものをあるというのは比較的簡単ですが,有るものを無いというのはとても大変です.

  

少し前に製薬会社が絡んだ事件もありましたし,無いものを有るというのは比較的少ない労力で達せられます*3

 

一方,仮にSTAP細胞が実在していたとして,陰謀でそれを無かったことにするのは恐ろしい労力がいる上に,その後の発覚のリスクを考えれば,リスクとベネフィットは釣り合いません.

この辺りは下記記事でも触れています.

 

統一球について-番外編- 【使用球変更疑惑にみる陰謀論の構造 3 コストとベネフィット】

 

この話はそれなりには応用できます.

ただ今回の件で非常にややこしいのは,今回の事件の発端そのものがリスクとベネフィットを考えればとてもありえるものではないのですよね.

 

 

前記事の注釈に書いた通り,自分を含め,おそらく少なくない人が発表当初から懐疑的であったとは思います.

その一方で,やはり少なくない人が,ここまで杜撰な論文であったとも想定していなかったと思います.

 

上記の話から言えば,

「Natureに明らかな問題のある論文を出せばすぐにばれるだろうし,著者もそこまで迂闊じゃないだろう」

ということですね.

 

下記の記事で書いた通り,ある程度の予測は出来るものの,それを絶対視するのはやはり危ういということも,改めて思った次第です.

 

統一球について-番外編- 【使用球変更疑惑にみる陰謀論の構造 4 ≠これからも起きない】

1つ前の記事で,陰謀はコストとベネフィットが合わないとは書いたものの,あくまでこれは“起こりにくい”だけであり,“起きない”ことの根拠にはならないということです.

また,多くの人が関わっていることにより,あとから“起きていなかった”ことはわかりますが,“これからも起きない”とも言えません.

 

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*1:仮に実在していたら,特例的な対応がとられて半年以上もかけることは無いでしょうが

*2:そもそも研究を少しでも齧ったことがあれば,あるいは一般的な社会を想定すれば,到底有り得ないと判断できると思うのですが…

*3:ひょっとしたら今回の件も含め