統一球について-番外編- 【使用球変更疑惑にみる陰謀論の構造 4 ≠これからも起きない】
これが最後の記事です.
統一球について-番外編- 【使用球変更疑惑にみる陰謀論の構造 1 はじめに】
統一球について-番外編- 【使用球変更疑惑にみる陰謀論の構造 2 写真・映像の不備?】
統一球について-番外編- 【使用球変更疑惑にみる陰謀論の構造 3 コストとベネフィット】
ここまで,陰謀論の問題点について指摘したわけですが,一点大事なところがあります.
1つ前の記事で,陰謀はコストとベネフィットが合わないとは書いたものの,あくまでこれは“起こりにくい”だけであり,“起きない”ことの根拠にはならないということです.
また,多くの人が関わっていることにより,あとから“起きていなかった”ことはわかりますが,“これからも起きない”とも言えません.
アポロ関連の主張では,アメリカがそんなリスクが高いことを考えたわけがないという意見を見ることもありますが,個人的には「この意見は概ね正しいが,絶対ではない」と考えています.
正常な組織であれば,こんなコストとベネフィットが釣り合わない意見を言ったところで取り入れられるわけがありません.
ですが,組織としての機能が不健全な状態の場合であれば非合理的な意見が通ってしまう可能性はあり得ます.
野球などでもそうなのですが,こちらが合理的な判断をしているからと言って,必ずしも相手も合理的な判断を下すとは限らない,ということです.
統一球の件で自分もかぷ吉さんや本ブログで打球の飛び方をお尋ねしました.
これは巨人という集団が問題なく機能していればそんなことはあり得ないものの,例えば渡辺氏が強権を発動してそれを実行してしまうことは有り得るかもしれないという考えによるものです.
最近話題になっているステマも含めて,陰謀のようなものがこの世界に存在しないことはないでしょう.
ですから,最初からそんなことはあり得ないと決めつけて,物事を進めることもまた危険です. ですがその一方でそういう考えの人たちの下,多くの人が関われば関わる程暴露の危険は上がります.
結局は,政府や学者の見解を疑うという考えがあるのであれば,陰謀論者の提出する根拠も同様に疑いの目を向けろということですね.