得点力のはなし10
【他者への影響力】
昨日の続きで責任論を書こうかと思いましたが,その前提条件として選手が他者に与える影響を論じておく必要があると思ったので先にそちらを.
しばしばベテランの○○選手が来たからその影響で云々,といった意見を目にすることがありますが,個人的にはかなり懐疑的です.
一例としてカープの石井選手を挙げてみましょう.石井選手の移籍の際に上記のような意見を目にしましたが,それでは実際に内野陣のレベルが上がったのか?
石井選手がカープに加わったのはシーズンとしては2009年からになりますが,内野でその影響が大きそうな東出選手ならびに梵選手および小窪選手を例にしてみます.特に梵・小窪選手らは石井選手のブログにもしばしば出てきましたからその影響は小さくないでしょうし.
以下それぞれのシーズンごとの出場試合数・打率・本塁打数です (Wikipediaより).
◇東出選手
2008:138試合・打率.310・0本塁打
2009:142試合・打率.294・0本塁打
2010:108試合・打率.306・1本塁打
2011:137試合・打率.214・0本塁打
◇梵選手
2008:97試合・打率.226・1本塁打
2009:73試合・打率.224・2本塁打
2010:144試合・打率.306・13本塁打
2011:52試合・打率.214・2本塁打
◇小窪選手
2008:98試合・打率.270・3本塁打
2009:70試合・打率.295・2本塁打
2010:81試合・打率.207・1本塁打
2011:65試合・打率.261・2本塁打
梵選手が2010年に飛躍的な成績を残しているのみで,他はとりわけ目を引くような上昇具合は見られません.
誤解してほしくないのは,この結果から「石井選手は大したことはない,だからカープに必要ない」ということを言いたいのでは無く,「実際に影響があるかどうかを判断することは難しく,そのあやふやなものを頼りに補強などをするべきではない」ということが論旨です.
ちなみに上記の表ですが,恣意的な見方をすれば,「梵選手は石井選手の移籍してきた翌季に大きく成績を上昇させている.これは石井選手の技術を一年かけて習得したからだ.11年に成績を落としたのは怪我の影響だから仕方がない」とも言えますし,「10年の梵選手の成績の上昇は2番に起用した監督の功績である.東出選手はわずかに,小窪選手は明らかに成績を下げているのだから,むしろ石井選手の存在は悪い方に転がった」なんて捉えることもできます.
まぁ先に結論ありきで答えをつけようとすればどうとでもなる,ということですね.
レッドルさんも以前に書いておられたと思うのですが,元ベイスターズの工藤選手などもそうでしょうね.
工藤投手の移籍により云々というのもありましたけど,蓋を開けてみれば別段チーム防御率が良化したという話も無く.
チーム状況が悪ければ悪いほど特効薬的なものに頼ってしまう気持ちが十分に理解できますが,そういったチーム編成は逆にチーム力の改善に悪影響を及ぼすと考えます.
…段々得点力という題から外れてきている気もしますが(汗
まぁ広い意味で得点力ということでご勘弁を.
にほんブログ村
にほんブログ村
にほんブログ村
にほんブログ村
にほんブログ村
にほんブログ村