栗原選手2ヶ月連続の月間MVP受賞!
タイトル通り，栗原選手が2ヶ月連続で月間MVPを受賞しました．
広島・栗原が２カ月連続受賞＝プロ野球月間ＭＶＰ
昨日の記事にも書きましたが，何故か最近の栗原選手が敗戦のやり玉に挙げられることが多く，下手をすればこの月間MVPも帳尻合わせである，といったような批判をされるのではないかと思いましたのでその検証をしておきます．
疑問1．消化試合での爆発か?
栗原選手の9月月間成績は打率.380・4本塁打・16打点というものです．これをさらに分割して9月前半 (1～15日) の成績として見てみますと，打率.354・3本塁打・9打点となります．
カープは先月の半ばに連敗を喫し，さらに月末から現在まで連敗が続いて，その結果CS出場の可能性がほぼなくなってしまいましたが，9月に入った時点では借金1であり，まだその可能性は十分に残されていました．
こういった状況下で上記の成績を残し，また8月でも月間MVPに輝くような成績を残しているのです．
少なくともチームに浮上の目がなくなってからの帳尻合わせといった批判には当たらないでしょう．
疑問2．チームの勝ちに貢献していないのか?
そもそもとして先月の失速の原因は失点が多いからなのか得点が多いからなのかを考えなければなりません．
本日までのリーグ全体の1試合平均得点/失点は，3.18/3.16です．
対して先月のカープは75得点に91失点であり，1試合平均は3.26/3.96です．
負けた試合で目立つのでつい責められがちですが，統一球によって得点も失点も落ちている今季に関して言えば，先月の失速は投手陣の方がより大きな原因となっていると言えます．
もう1つの基準として3得点/失点をラインにして考えてみます．
今季は得失点ともにリーグ平均はおおよそ3点であることから，それ以上取られた試合では投手が十分に働いていない，逆に2点以下しか得点できなかった場合は野手の責任が重いという考え方です．
9月の試合を，
A：完勝 (野手は3得点以上，投手は3失点以内)
B：完敗 (野手は3得点以下，投手は3失点以上)
C：野手による勝ち (投手は4失点以上したが，野手がそれ以上に取った勝ち)
D：野手による負け (投手は3失点以内に抑えたが野手がそれ以下の得点しか挙げられなかった)
E：投手による勝ち (野手は2得点以下であったが投手がそれ以下に抑えて勝った試合)
F：投手による負け (野手は3得点以上奪ったが投手がそれ以上の失点を喫した)，
という6つに区分してみます．
そうすると，
A：3試合
B：5試合
C：2試合
D：4試合
E：1試合
F：7試合
となります．
もちろん投手も野手もどちらにも問題があるのですが，基本的には野手は得点したものの投手が粘れない試合 (Fパターン) が7試合と最も多く，逆に投手が野手の得点力不足を補って勝った試合は24日のベイスターズ戦 (2-1) のみです．
やはり先述の結論と同様に，先月の失速の原因は投手陣の方により大きなものがあると言えるでしょう．
疑問3．得点力不足の原因は栗原選手か?
先に書いたようにそもそも今月の失速自体が投手陣により大きな原因を求められるのに加え，月間MVPをとる程打点を挙げている選手に対して頑張りが足りないなどというのはナンセンス極まりないとは思うのですが，一応他の野手陣との割合でみてみます．
栗原選手が先月の打点は16であり，これは今月のチーム総得点75点の21%に当たります．
年間を通して見てもチーム総得点の409点のうち，20%を占める83打点を記録しています．
他の各チームの最多打点を記録している選手とその割合を示して見ると，
S畠山 (83打点/459得点＝18%)
D和田 (46打点/382得点＝12%)
Gラミレス (63打点/416得点＝15%)
T新井 (80打点/418得点＝19%)
B村田 (65打点/398得点＝16%)
となります．
割合だけをみれば栗原選手が抜きんでた値となっています．
もちろん他の選手，特に自分の前の選手が長打を打つとその分自分が返せるランナーが減るという面もありますが，反面マークが分散しない点や勝負を避けられやすいなどといったデメリットも少なくありません．
またカープには高出塁率の選手が少なく，規定打席到達の打者内で上位10傑に入っているのは5位の栗原選手のみであり，20位まで広げて漸く12位の東出選手と17位の丸選手がランクインしてくる程度です．
他の選手が出塁できていない状態でリーグトップに並ぶ打点を記録しているというのは極めて突出した成績だと言っても差し支えないでしょう．
得点力不足を問題にするのであれば (そもそも相対的に見た場合に本当に大きな問題かという疑問はあるのですが)，その矛先は他の野手陣に向けられるべきでしょう．
長々と書きましたが要するに，栗原選手は本当によくやってるしお願いだからもうしばらくはカープにいてね，ってとこです．
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広島・栗原が２カ月連続受賞＝プロ野球月間ＭＶＰ
昨日の記事にも書きましたが，何故か最近の栗原選手が敗戦のやり玉に挙げられることが多く，下手をすればこの月間MVPも帳尻合わせである，といったような批判をされるのではないかと思いましたのでその検証をしておきます．
疑問1．消化試合での爆発か?
栗原選手の9月月間成績は打率.380・4本塁打・16打点というものです．これをさらに分割して9月前半 (1～15日) の成績として見てみますと，打率.354・3本塁打・9打点となります．
カープは先月の半ばに連敗を喫し，さらに月末から現在まで連敗が続いて，その結果CS出場の可能性がほぼなくなってしまいましたが，9月に入った時点では借金1であり，まだその可能性は十分に残されていました．
こういった状況下で上記の成績を残し，また8月でも月間MVPに輝くような成績を残しているのです．
少なくともチームに浮上の目がなくなってからの帳尻合わせといった批判には当たらないでしょう．
疑問2．チームの勝ちに貢献していないのか?
そもそもとして先月の失速の原因は失点が多いからなのか得点が多いからなのかを考えなければなりません．
本日までのリーグ全体の1試合平均得点/失点は，3.18/3.16です．
対して先月のカープは75得点に91失点であり，1試合平均は3.26/3.96です．
負けた試合で目立つのでつい責められがちですが，統一球によって得点も失点も落ちている今季に関して言えば，先月の失速は投手陣の方がより大きな原因となっていると言えます．
もう1つの基準として3得点/失点をラインにして考えてみます．
今季は得失点ともにリーグ平均はおおよそ3点であることから，それ以上取られた試合では投手が十分に働いていない，逆に2点以下しか得点できなかった場合は野手の責任が重いという考え方です．
9月の試合を，
A：完勝 (野手は3得点以上，投手は3失点以内)
B：完敗 (野手は3得点以下，投手は3失点以上)
C：野手による勝ち (投手は4失点以上したが，野手がそれ以上に取った勝ち)
D：野手による負け (投手は3失点以内に抑えたが野手がそれ以下の得点しか挙げられなかった)
E：投手による勝ち (野手は2得点以下であったが投手がそれ以下に抑えて勝った試合)
F：投手による負け (野手は3得点以上奪ったが投手がそれ以上の失点を喫した)，
という6つに区分してみます．
そうすると，
A：3試合
B：5試合
C：2試合
D：4試合
E：1試合
F：7試合
となります．
もちろん投手も野手もどちらにも問題があるのですが，基本的には野手は得点したものの投手が粘れない試合 (Fパターン) が7試合と最も多く，逆に投手が野手の得点力不足を補って勝った試合は24日のベイスターズ戦 (2-1) のみです．
やはり先述の結論と同様に，先月の失速の原因は投手陣の方により大きなものがあると言えるでしょう．
疑問3．得点力不足の原因は栗原選手か?
先に書いたようにそもそも今月の失速自体が投手陣により大きな原因を求められるのに加え，月間MVPをとる程打点を挙げている選手に対して頑張りが足りないなどというのはナンセンス極まりないとは思うのですが，一応他の野手陣との割合でみてみます．
栗原選手が先月の打点は16であり，これは今月のチーム総得点75点の21%に当たります．
年間を通して見てもチーム総得点の409点のうち，20%を占める83打点を記録しています．
他の各チームの最多打点を記録している選手とその割合を示して見ると，
S畠山 (83打点/459得点＝18%)
D和田 (46打点/382得点＝12%)
Gラミレス (63打点/416得点＝15%)
T新井 (80打点/418得点＝19%)
B村田 (65打点/398得点＝16%)
となります．
割合だけをみれば栗原選手が抜きんでた値となっています．
もちろん他の選手，特に自分の前の選手が長打を打つとその分自分が返せるランナーが減るという面もありますが，反面マークが分散しない点や勝負を避けられやすいなどといったデメリットも少なくありません．
またカープには高出塁率の選手が少なく，規定打席到達の打者内で上位10傑に入っているのは5位の栗原選手のみであり，20位まで広げて漸く12位の東出選手と17位の丸選手がランクインしてくる程度です．
他の選手が出塁できていない状態でリーグトップに並ぶ打点を記録しているというのは極めて突出した成績だと言っても差し支えないでしょう．
得点力不足を問題にするのであれば (そもそも相対的に見た場合に本当に大きな問題かという疑問はあるのですが)，その矛先は他の野手陣に向けられるべきでしょう．
長々と書きましたが要するに，栗原選手は本当によくやってるしお願いだからもうしばらくはカープにいてね，ってとこです．
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