飯尾の駄文日記

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選手補強の手段 (上)【カープでのFA補強の価値】

カープイーグルスの補強手段をみての感想です.
上下に分けて,上ではカープを,下ではイーグルスの補強について書きます.

カープは内川選手のFAでの獲得を目指しています.
いるかいらないかで言えば,計算できる選手が1人でも多いほうがいいので当然必要なのですが,
限られた資金と選手枠の関係からみればどれだけのコストパフォーマンスがあるのかは疑問が残ります.
個人的な面でみれば,なぜNPB復帰の松井選手の獲得に向かわないのかと思います.

選手補強の手段というのは時代によって代わります.
FA最盛期の2000年前後と現在の主な補強手段について述べます.

1990年代後半~2000年代前半
1) ドラフト
2) トレード
3) FA
4) 外国人選手
5) 戦力外選手

2010年現在
1) ドラフト
2) トレード
3) FA
4) 外国人選手
5) 戦力外選手
6) メジャー帰りの日本人選手

ここ10年余りで大きく選手補強の環境が変化しました.
まず,ドラフトの逆指名や自由枠がなくなり,少なくとも10年前に比べれば裏金などに掛かる費用が格段に少なくなったはずです.
次にFAに関しては,FA選手の年棒が不相応に高騰することは少なくなり獲得しやすくなる一方で,補償選手などの制度により選手獲得の際にデメリットが生じる可能性も生まれました.
そして10年前にはほとんどいなかったメジャー帰りの日本人選手が増加しており選択肢の1つになっています.

これらの中でカープのような金銭的に制限があるチームの中で,現時点で最も有効な手段はメジャー帰りの日本人選手の獲得でしょう.

今年の岩村選手のように, NPBで実績のある一流選手が,補償選手の流出などのマイナス面を伴わず,1年あたりの年棒1~2億円で獲得できる,というような手段はほかにはないと思います.

現在のカープの内川選手のFA獲得に対して,あのカープがFA獲得に向かうこと,それ自体に意義があるといった意見があります.
今年のカープの動きをみていても,まずFA獲得ありきで,その次に今年のFA市場をみて,比較的必要そうな内川選手の獲得に向かった,といったような過程を想像してしまいます.
穿ち過ぎかもしれませんが.
個人的にはこれは,5割の壁を越えれば,あるいはベテランの○○選手が出場すれば,チーム状態が好転する,といったものと同じくらい精神論に近いものだと思っています.

現在の制度から行けば,FA獲得は上記のような理由から金銭的な負担は減ったもののデメリット面も増えており,あくまで一手段に過ぎないと考えるべきでしょう.

自分としては,今年は岩村・松井選手らのようなカープの補強ポイントに合致した選手がいることもあり,やはりメジャー帰りの選手の獲得が有効な手段だと思います.

おそらく10年以内にはメジャー帰りの選手の獲得に関して,何らかの制限ができるのではないかと思います.
そうでなくとも年棒については相対的には上昇するはずで,少なくとも現在のような,日本にいた時よりも安い年棒なんてことはまずないと思います.
現在はその狭間で,ローリスクに対しミドル~ハイリターンという状況です.

カープのような球団は先見性をもって,こういったまだ制度が追いついていない手段こそ活用すべきである,と自分は考えます.