カープ雑感['13.07/19]【失われた最後の幸運と最後のチャンス】
救援投手の崩壊による2連敗により前半戦終了.
最後の試合に関しては横山投手が満塁HRを打たれて逆転負け.
ずれた感想だと思われるかもしれませんが,個人的にはなんというか見応えはあったと思います.
1死満塁で迎えたピンチでしたが,まず四番の和田選手を打ちとります.
続く五番の平田選手との打席ではフルカウントに持ち込まれながらも,四死球を出さずに勝負.
結果的にはHRとなりましたが,打ちとったかという当たりも2度,あわや三塁強襲安打という安打もありましたし,堂林選手や丸選手の守備も含め,どう転ぶかは分からないギリギリの勝負だったなと.
何となく2007年の藤川対ウッズの11球を思い出しました.
もちろんチーム状況も双方の選手の実績の差も大きいですから同じとは言いませんし,そもそも思ってもいません.
ですが,逆に言えば部分的に良い勝負をしても,チーム状況などが伴わなければそれが評価されることもないのだなとも思います.
それはそれとして,案の定というか予想していたとおり,ここにきて救援投手陣の綻びが目立つようになってきました.
これは偶然では無く,この4年間の投手起用の結果だと思っています.
最近,「カープが弱いのはオーナーはじめ球団の問題が大きく,野村監督の問題は大きくない.誰がやっても同じである」といった旨の言葉を目にする機会がありました.
特に前半の部分,オーナーを含む球団の構造に問題がある,という点については賛同します.
(この点については最後に述べます)
その一方で野村監督や首脳陣の責任が小さいという点については同意しがたく,特にここで問題にする投手陣の層の厚薄の部分については現政権の問題はそれなりに大きいものと考えています.
過去記事より引用しつつ説明をしたいと思います.
低反発球が導入されていた2年間というのは,投手陣を整備するには絶好の時期だったと言えます.
最後の幸運と最後のチャンス
統一球について2 【投手起用の感覚】
統一球について6 【続・投手起用の感覚,ビハインド時の投手の使い方】
端的に言えば,(悪い言い方になりますが) 二線級の投手でもそれなりの数字を残せることができるから負担を分散することが可能だったはず,ということです.
加えて,まだ一軍では起用することができないレベルの投手でもそれなりに使えることができますから,例えばシーズンにおける調整方法を掴ませたり,ブルペンでの経験を積ませたりといったことも可能だったわけです.
では振り返ってみると,果たしてどのような起用がなされていたのか?
カープ終了のお知らせ
案の定
3連戦の投手起用
さすがに疲れました…
有り得ない…
カープ雑感[9/25]
カープ雑感[10/4]
カープ雑感['12.02/18]青木投手の怪我
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改善傾向がみられた時期もありますが,基本的には長期的展望に欠けるその場凌ぎの起用を繰り返してきたと判断せざるを得ないでしょう.
もちろん,仮に低反発球導入時に上に書いたように他の選手を起用していたとしても,それらの選手が今季も活躍したとは限りません.
低反発球のみに対応する選手が増えたことにより,その見極めのために今季前半に負けが込んだ可能性もあります.
それでも少なくとも特定の投手に過度の負担がかかることはなかっただろうと思います.
実際には,若手の有望株であるはずの今村投手に過度の負担を強いることになり,あまつさえ敗戦の責任まで負わせることになってしまいました.
結局この4年間で,期待の若手に疲労を蓄積させ,他の中堅~ベテラン選手がつかえるかどうかはわからない状態になりました.
球団側の問題を強調しておくと,それにも関わらず,低反発球効果による見掛け上の防御率の良化を投手力の安定化と勘違いし,野手重視のドラフトを行うという愚行にも出ました.
(このドラフトが首脳陣主導なのフロント主導なのかにもよりますが)
この点については過去記事 (統一球について3 【カープに不足しているのは野手か投手か?】) でも指摘していましたが,残念ながら悪い予感が的中してしまいました.
改めて.
低反発球が導入されていた2年間は投手陣の整備を行う近年稀に見る好機でした.
その最後の幸運と最後のチャンスを現政権が活かせたか?
否と結論付けるしかない,私はそう思います.
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