飯尾の駄文日記

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得点力のはなし16 『投手力で優勝できることは落合監督が証明した』

久しぶりに得点力のはなし. よく言われることですが,「野球は投手力」という言葉があります. これ自体には賛同しますし,特に1試合で区切った時は投手の出来によって結果は大きく左右されます. では,シーズンを通してみた場合も同様なのか? こういった投手力と得点力の議論の際に,「2011年の落合ドラゴンズが,強力な投手力さえあれば優勝できることを証明した」という趣旨の意見をしばしば目にします. ですが,この言葉は必ずしも間違いではないものの,そういった議論の際に一般化できる理屈かといえばかなり怪しいものと見ています. 改めて2011年のドラゴンズの成績を振り返ってみると,リーグワーストのチーム打率・得点でありながら,リーグトップの防御率・失点でリーグ制覇を果たしています チーム打率・得点がリーグワーストでのリーグ優勝はプロ野球史上初のことであり,圧倒的な投手力によるものであると言って差し支えないでしょう. 「2011年の落合ドラゴンズが,強力な投手力さえあれば優勝できることを証明した」という意見は,「不可能ではないということを証明した」という意味では間違いないでしょう. その一方で,「プロ野球史上初である」という点も良く理解しておかなければなりません. 捉え方にもよりますが,半世紀以上の歴史を持つ (且つそのうち半分以上は2リーグ制の) プロ野球において投手力のみで勝ったチームは一昨年のドラゴンズだけである,とも言えるわけです. もちろん,かつてはエースの力量によりそのチームの投手力が大きく左右され,やがて分業制により責任と負担が分散し,そして近年になり救援投手の重要性が増してきたように,戦力配置の重要性は刻々と変化します. そういう意味では今後投手力が何より大事になり,「2011年のドラゴンズはその先駆けであった」となる可能性は否定しません. ただ違反球が使用されていたことも含め,現状では「2011年のドラゴンズはイレギュラーなものであった」と捉えるのが妥当なところでしょう. 一例だけを上げて結論付けるのであれば,「2001年のバファローズが,強力な得点力さえあれば優勝できることを証明した」とも言えてしまうわけです. もし100回サイコロを振って1回しか1の目が出なかったら? 全ての目が出るからこのサイコロは正しい,ではなく1は出にくい理由があると判断するべきでしょう. 結論としては当然の話になりますが,シーズンを戦うためには投手力も得点力も両方大事であり,バランスの良いチーム作りを目指すべきである,ということですね. (年棒などの諸コストに対しての優先度という意味であればまた別の議論は有り得るとは思います) にほんブログ村 野球ブログへにほんブログ村 野球ブログ 広島東洋カープへにほんブログ村 野球ブログ 東北楽天ゴールデンイーグルスへ にほんブログ村 にほんブログ村 にほんブログ村 野球 ブログランキング広島東洋カープ東北楽天ゴールデンイーグルス