続 “酷使”について考える (4:まとめ)【トレードオフを考える】
これまで酷使について書いてきましたが,最後にまとめを書きます.
続 “酷使”について考える (1:長期的観点から)【計算できる戦力をつくる】
続 “酷使”について考える (2:中期的観点から)【シーズンを見据える】
続 “酷使”について考える (3:短期的観点から)【評価の難しい起用】
この一連の冒頭に,酷使を考えるには3つの視点,長期的・中期的・短期的観点を持つ必要がある,
と書きましたが,結論としては単純な話です.
それぞれの観点を整理すると,
◇長期的観点
・チームが強くなるために,活躍が予想できる力のある投手,いわゆる“計算できる投手”をつくる必要がある
◇中期的観点
・シーズンを勝ち抜くために,力のある投手をシーズン通して一定の状態に保つ必要がある
◇短期的観点
・目の前の試合を勝つために,力のある投手の逐次投入する必要がある
というそれぞれの観点から望ましい起用がありえます.
しかしながら実際にはそれらが,しばしば相反することがあり,
結局はこれらをトレードオフに掛けて考える必要がある,とうことですね.
個人的見解としては,ある観点からは望ましくなくても他の観点から止むを得ない起用というものもあると思います.
例えば,今季の前半のカープでは,クローザーのサファテ投手の回跨ぎに対しての批判をしばしば目にしましたが,私は仕方がないことだと思っていました.
{カープ雑感['12.04/19]でも少し触れています.これには,そもそも野球は得点が入りづらい=1点でもビハインドがある状態と同点,そしてリードしている状態に大きな乖離がある,という前提 (得点力のはなし1参照) も関係しています}
短期的観点からのリターンが大きく,中期的観点のリスクを上回ると捉えたからです.
(外国人投手ということで長期的観点からは,そもそも評価に与える影響自体を小さくみています)
逆に後半の今村投手の起用に関しては批判的に見ていました.
これは短期的なリターンが小さく,中期的なリスクと長期的なリスクが大きいと考えたからです.
まぁここまで書いてきましたが,言いたいことは一点です.
長期的・中期的・短期的観点を持ちながら投手起用を評価する必要があるということです.
これまでのカープの首脳陣の下では,特に中期的・長期的観点に欠けると思わざるを得ない投手起用が行われてきました.
来年からの投手陣を取り纏めることとなる古沢コーチにはそうではない起用を望みます.
にほんブログ村 にほんブログ村 にほんブログ村
野球 ブログランキング広島東洋カープ東北楽天ゴールデンイーグルス