一年

一年が経ちました． “もう1年”なのか“まだ1年”なのか． “発生”からは1年ではありますが，まだ避難生活を余儀なくされている方や生活の目処が立っていない方も多く，まだ震災は終わっていないという人も多くおられることかと思います． 気仙沼在住の親戚がいるのですが，その方の話を聞くと， 「まだまだ瓦礫の山ばかり．それを見ないように生活している」 と言っていました． 精神の自衛方法の一種なのだろうと思います． 今年の初夏にその親戚を訪ねる予定です． 正直，行かなければならないという気持ちと行きたくないという気持ちがあります． 震災の爪跡が残る今のうちにこの目でそれを見ておかなければならないと思いますが， 一方で，被災地を見るのが怖いという気持ちも強いです． テレビで見ているだけで涙が出てくるような惨状でしたから． それを実際に目の当たりにして，そしてそこで被災した，あるいは今も生活している人たちのことを想えば，それを直視できるかどうか自信がありません． ただ，直接被害を受けていない自分が，被災者の方々と被災地の現状を少しでも理解するためには目を背けてはいけないことだと考えるので，見てきたいと思います． こういう見方，悪い言い方をすれば記念に見るというような見方，も被災地の方に取ってみれば不謹慎な話なのかもしれません． こういうことを考えるたびに，何をしていいのか，何を言っていいのか，何をしてはいけないのか，がわからなくなってきています． 最後になりますが，犠牲者のご冥福をお祈りするとともに，被災された方々が一刻も早く安寧を取り戻されることを願っています．