得点力のはなし14
【好投手を機動力を使って攻略するって本当ですか?】
最近のコメントのやり取りの中で機動力野球について改めて思うところがあったので,思いつくままに.
できれば何回か書きたいと思います.
個人的なスタンスとしては,基本的に機動力は重視していません.
もちろん,あるに越したことはないと思ってはいますし,機動力“も”使える打線は強いと思いますが,機動力“しか”使えない打線は強いとは思いません.
(過去に機動力について書いた記事は,送りバントの話,最後の幸運と最後のチャンス,得点力のはなし4あたりをご参照ください)
今週の週ベのベースボールゼミナールのコーナー (p60) で,ちょうど機動力について触れていたのでこれについて.
足を絡めた戦術を有効に使うには?という投稿者の質問に対して,元ヤクルト・広島の苫篠氏が回答しています.
―以下引用―――――――
よく「打撃は水モノ」と言います。プロでも高校野球でも、いくら強力打線と言われていても、打者というのは、打てるときもあれば、打てないときもあるものです。まして良い投手に当たれば、なかなか打てない。ならばそういう良い投手に当たったときにどうやって攻略していくのか。打つことしかないチームなら、そこで終ってしまう。そこで足を絡めることができれば、僅差のゲームであっても、1点を取れる確率が高くなるのです。
―引用終わり――――――
同様の意見は良く耳にします.
特に機動力野球の支持者には,打力を上げても好投手相手には意味がないという旨に近い主張をなさる方もいらっしゃいます.
(ただし,苫篠氏 (あるいは編集者) は微妙な言葉遣いは気をつけているようで,「機動力>打力」という構図では無く,「打力で及ばない場合の補佐としての機動力」という構造にしてはいますが)
個人的には,以前からこの主張には多少違和感を覚えています.
「一流の投手であれば,牽制・クイックなどの技術も高いから,走力もかなり高くないと足が使えないんじゃないの?」
「なら足が一流の選手を揃えることの方が,打力が一流の選手を揃えるのよりも簡単だと思うのはなんで?」
等々の疑問があるのもそうなのですが,自分の見てきた範囲内では,
「一流投手に対して,機動力を用いて得点を奪って勝った試合」よりも「一流投手に対して,主力となる選手がホームランを打って勝った試合」の方が目にする機会が多いような印象があって.
自分の記憶にある,「機動力を用いて勝った試合」というのは2006年の10/12のホークス‐ファイターズ戦くらいでしょうか.
自分も数多くの試合を見ているわけではないので,自分が知らないだけでもしあるのなら教えて頂けると幸いです.
もし年に数試合も無いようなのであれば,やはりそこに高コストをかけるのはチーム戦略としての疑問が募るところですね.
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