飯尾の駄文日記

広島東洋カープ 時々 東北楽天ゴールデンイーグルス ところにより一時 中国生活

“失ったもの”は何か

かぷ吉さんのところにも書いたのですが,最近のカープの失速について.
9月半ばからのカープの失速およびここのところの連敗を受けて,目標を見失ったから~といった精神的なことを理由に挙げている場合が見受けられます.
特に首位のスワローズに肉薄し遂に逆転して首位に立ち,落合監督退任ということもあるドラゴンズと対比して,目標がはっきりしているチームとの違い,といったニュアンスで議論される場合があります.

あるいは首脳陣自身もそう思っているのかもしれません.
しかし,特に首脳陣が最近の失速を気持ちの部分が大きいと考えているのであれば,来年もその先もいくら経ってもチームが上昇することはないと思います.
前々記事でも触れたように9月の失速の主因は投手陣の成績が悪化したことです.
この7連敗中も1-1で引き分けた2試合を除けば2失点が1試合,4失点が1試合,残りの5試合は全て5失点以上と,投手が打たれた試合が多く,3失点以内に抑えたけれど負けた試合は一昨日の試合のみです.
野手の得点力も決して高いわけではありませんが3~4得点を奪った試合が昨日も含めて5試合あり,得点力不足が最大の要因であるということは否定できると思います.

つまり失ったのは“気持ち”といったあやふやなものではなく,“投手力”という確固としたものが失われたからこそ負けが込んできているのです.
先の他チームの例で言えば,4連敗の後1勝を挟んで再びドラゴンズに2連敗を喫し,CS出場が難しくなったタイガースが首位スワローズを相手に3連勝しました.
仮に目標の有無で試合展開が決まるのであればタイガースは一気に落ちてきておかしくなかったでしょう.


そしてここにきてのカープの失速は当然の帰結だと自分は考えます.

春先の時点で本来なら8・9月につかうはずの生活費にまで手をつけてきたようなものなのですから,この時期に日々の生活に困る程の金銭不足になるのは至極当然のことでしょう.
何より残念なのが,あるいは本当に金銭が不足していて春先にそれを使わなければ生きて行くのが厳しかったのならまだ致し方ないかとも思うですが,実際は手をつける必要のない預金にまで手をつけて戦ってきたという点です.

もう何度も書きましたので細かい説明は省きますが (例えば統一球について2 【投手起用の感覚】),統一球効果があるにもかかわらず昨年と変わらない,いやそれ以上の無計画な起用を繰り返してきたツケが勝負の9・10月に一気に噴出したということです.


もちろんカープはドラゴンズとは様々な面で違います.
資金力も大きく違いますし,そこから生じる選手層の厚さなども大きく異なるとは思います.
あるいは,監督の信頼度や胴上げをしたいという気持ち,またはモチベーションや経験といったものが違うのかもしれません.
ただ,この時期にきてのここまでの投手力の違いが生じたことはそこだけに起因するものではなく,
勝負は9・10月と捉えそれまでを選手の消費を抑えることと選手の見極めをしつつ如何に効果的に負けるかに心を砕いてきた落合ドラゴンズと,
日程が過密であり投手が揃っている状態であったとしてもやりくりに苦労するであろう9・10月のことなどは心に置かずに春からその場凌ぎの起用を繰り返してきた野村カープ
その差が残酷なまでにくっきりと表れてきたのだと思います.

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