飯尾の駄文日記

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“酷使”について考える (3) ~“勝つために”酷使を避ける~

“酷使”シリーズの多分最後になります.

酷使を批判する意見への反論として,しばしば「勝つためには仕方ない」という意見があります.
あるいは以前私自身が間接的に,「ケガもしないけど、勝ちもしないというのはどうなのか?」という疑問を投げかけられました.

しばしば誤解されることがあるのですが,少なくとも自分は勝利を犠牲にしてまで酷使を避けろと言っているのではなく,むしろ“勝つために”酷使を避けろと言っています.

もちろん個人的に選手が故障するのは悲しいことなのでできれば避けてほしいですが,もし選手自身が,体が壊れても優勝したいと言っていたら,それが本当にチームのためになるのであれば自分はそれを治める言葉がみつかりません.

しかしながら実際に体が壊れかねないようなレベルまで酷使された選手は,パフォーマンスが著しく低下している可能性が高くとても試合には使えません.

前記事で書きましたが,いくら力のある選手でも疲労によりパフォーマンスが低下してしまえば二戦級の投手を下回ってしまうのです.


図らずも今日の試合はその典型となりました.
8回に登板した今村投手が打たれての敗戦.
自分は映像を見ていないので,この不調が疲労から来るものかは分かりませんが,少なくとも無関係ということはないでしょう.
そしてこの疲労はこれ以前の登板が強い影響を及ぼしている可能性が高いのです.

これまでの試合で今村投手は接戦ビハインドでも登板してきました.
もしかしたらそのうちの1登板の疲労が今日の被安打の原因かもしれません.
点を取られたとしても勝つ確率がわずかに上昇するだけの場面で念のために登板させてきたツケが,今日のような点を取られたら勝ちが負けに代わるような登板の1失点に繋がっているかもしれないのです.

もちろん,これは恣意的な見方であり,登板過多にならなくても調子を崩していたかもしれませんし,今村投手が登板したおかげで勝てたビハインドの試合もあったのかもしれません.
しかし,登板が嵩めば疲労が蓄積する可能性が高く,疲労が蓄積すれば打たれる可能性も高くなります.
一方でビハインドの展開ではその時点で勝つ可能性が低く,仮に抑えたとしても勝つ可能性はあまり上がらないのです.

終盤の重要な試合で,本当にその選手の力を一番発揮してほしい時に,それ以前のあまり重要ではない試合で登板したせいで力が発揮できないなんてことがあってはシーズンを勝ち抜くことができるわけがありません.

カープは投手の層が薄いからこそ,“勝つために”どの選手も万全に近いパフォーマンスを発揮できる状況に整えておく必要があるのです.

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