飯尾の駄文日記

広島東洋カープ 時々 東北楽天ゴールデンイーグルス ところにより一時 中国生活

打順論

カープの2番にバーデン選手を起用したことについて,1週間ほど前の記事で少しふれましたが改めて打順というものについてつらつらと.

自分は,細かい打順の変更が得点確率に影響を及ぼす可能性自体は否定しませんが,有意な差が出るほどの影響を及ぼすとは考えていません.
また,打順に対する役割は自軍の選手その状態および相手チームとの投手力の差などによって変わるものであり,それぞれの打順のステレオタイプに沿った選手を起用する必要はないと考えています.

基本的には打線を“集中型”と“分散型”に区分して評価しており,そこから外れて且つそこに理由が見いだせない時のみ強く批判するようにしています.
各々の型の説明をすると…,

集中型:強力な打者を近い打順において集中させる組み方.その部分で点を取れる確率は上がるものの引き換えに下位打線などが弱くなるため大量得点などは取りづらくなる.有効に働いた例として代表的なものは昨年のドラゴンズのクリンナップなど.

分散型:打力は高くないものの小技は出来る選手を強力な打者の間に挟むことにより,結果的に強力な打者が分散させられている組み方.多くの場合2番や6番などに,バントなどができるいわゆる“典型的な2番打者”を置く場合が多い.それらの打者が凡退しなければ打線が繋がるため大量得点が期待できる一方で,打線が分断されやすくなることにより得点できない可能性も上昇する.バレンタイン監督時のマリーンズ打線などがその最たる例の1つ.

野手の層が薄いチームが分散型を組むと得点力がさらに下がります.
昨年のカープを例に出せば,チーム内打率の1・2位であった梵・廣瀬選手らが2番と5番という離れた場所に配置されており,その間に低打率の天谷選手と調子がなかなか上がらない栗原選手が挟まれていたため点が取れないと認識していました.
この場合は3番に廣瀬選手を配置すれば得点確率は上がるだろうと推測しており,実際今季の初頭はその打順でそれなりの得点を記録していました.
(ただし,打順の変更は選手自身に良くも悪くも影響を与える可能性があるため,無闇な打順変更はリスクもあります.そのため昨季の時点で打順に対する強い批判は少なくともこのブログ上ではしていなかったと思います,多分.この理由から昨季の打順の組み方がそこまで悪かったとも思っていません)

さて,この考えに基づいて「2番バーデン」について考えてみます.
以前にカープの得点力は決して低くはないとは書いてありますが,それでも取り立てて高いわけでもなく,また統一球の影響によりロースコアゲームが増えていることとカープの野手の層が薄いことから考えると集中型打線を組む方がより妥当であると思います.

そうであれば,1番にそれなりの出塁率の残している東出選手がいて4番の栗原選手も調子が向上してきている現状では,バントができるといったような理由で2番に打力の低い打者を置いてしまうと,打線が分断される可能性が高くなるだけだと言えます.

一方で上述のように,選手自身が打順の影響を受けてしまう可能性があるため合理性の追求は必ずしも有効では無い場合があります.
これはブラウン監督が前田選手を2番に起用したら調子を崩したことが代表的な例です.
これに関しては,一般的に外国人選手は日本人に比べて打順に対する感覚をもっておらず,2番に起用してもその打順のイメージに左右される可能性は高くありません.

以上述べた理由により,バーデン選手の2番起用は,「出塁率の高いバーデン選手を調子が上がってきた栗原選手の前に置くことができ,且つそれによりその選手自身が調子を崩す危険性が低い」ということであり,そこには一定の理由を見いだせると言うのが自分の捉え方です.
より正確には,捉え方でした

何日か前の試合で何故か初回にバーデン選手にバントをさせたと聞きました.
バーデン選手が高いバント技術を持っているのであればともかく,もしそうでなければ采配によって打線を分断しようとしているということになってしまいます.
それでは出塁率が高く打順イメージの影響を受けにくいバーデン選手を2番で起用した意味がなくなってしまいます.

それを受けてその意図を計りかねているというのが正直なところです.

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