飯尾の駄文日記

広島東洋カープ 時々 東北楽天ゴールデンイーグルス ところにより一時 中国生活

ストライク先行

昨日の球炎はストライク先行を肯定していましたね.

以下引用――――――――――――――――――――――――――――――――――――
これは偶然の産物ではない。攻めの投球の成果だ。初球から自信のある球でストライク勝負し、常に投手優位のカウントに。相手は追い込まれる前に手を出さざるを得なくなった。

http://www.chugoku-np.co.jp/Carp/Cs201006270338.html ('10.6/27)
引用終わり―――――――――――――――――――――――――――――――――――

少し前までは,

以下引用――――――――――――――――――――――――――――――――――――
投手陣は昨秋から「考える投球」を目指し、安易なストライク先行を戒められてきた。けん制やクイックの技術も昨季以上に求められている。
方向性はプロとして正しいし、全員が前田健なら即応できるだろう。だが、今の段階で発展途上の投手に完ぺきを望むのは酷だ。四球の増加は改革に伴う痛み、いわば副産物。これが早期交代の理由になれば、途方に暮れる投手も多いはずだ。
http://www.chugoku-np.co.jp/Carp/Cs201005160286.html ('10.5/19)
引用終わり―――――――――――――――――――――――――――――――――――

といったようにストライク先行を,特に根拠も示さずに安易であるとして否定していました.
一般的な傾向として,四球と失点は正比例しています.過去の選手やチームの成績をみても,四球は少ないのに防御率が悪い投手や,四球が多いのに防御率が良い選手なんてのは一部です.
ヤクルト時代の石井一久投手などは数少ない例でしたね.
ストライク先行を方針とするブラウン監督が就任したイーグルスと,それまでのストライク先行を切り捨てたカープの投手成績を見れば一目瞭然でしょう.

イーグルス(2009) 与四死球率:3.43,防御率:4.01
イーグルス(2010) 与四死球率:3.10,防御率:3.74

カープ(2009) 与四死球率:2.58,防御率:3.59
カープ(2010) 与四死球率:3.63,防御率:4.65
(6/26日時点)

ストライク先行を「安易」とそれこそ安易に決め付ける人たちは,どのようにこの結果を捉えているのでしょうか.
ストライク先行に対して否定的であったのは,「一流の投手はボールゾーンで勝負できる」という発想からなのかもしれません.(一番の理由はアンチブラウンだからだと思いますが)
でも逆なんですよね.ストライクを先行させて投手有利のカウントにできる,あるいはボールが先行しても確実にストライクがとれる,だからボールゾーンでの勝負ができるようになるんです.

ストライク先行を指示された投手はどう考え,何をするか.おそらく「この球種をこのコースに投げておけば大丈夫」というボールの必要性を思い,それを探して磨くことを行うと思います.そうして1つ軸になるボールができれば,他のボールの有効性も増してくるはずです.
だからこそカープ時代のブラウン監督は力押しができるパワーアームの投手を好んで集めたのでしょう.

球炎もストライク先行に肯定的になったのですから,カープの首脳陣には一刻も早く方針転換をして頂きたいものです.