飯尾の駄文日記

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得点力のはなし4

【長打力】
前の話に続いて.
被る部分が大きいのですが補足説明のようなものです.

一般に得点に対しての相関係数が高いものとしては長打力等があり,これに対して犠打や盗塁は相関係数が低いこと知られています.
ではこれは何故か?

塁を埋めるシチュエーションは無走者の場合も含めて全部で8通りあるわけですが,
点が入る場合をそれぞれの結果から考えると
・犠打・犠飛・内野ゴロ等:“無死or一死で”4例 (満塁・一三塁・二三塁・三塁)
・四死球:1例 (満塁)
・単 打:4例 (満塁・一三塁・二三塁・三塁)
・二塁打:6例 (一二塁・満塁・一三塁・二塁・二三塁・三塁)
・三塁打:7例 (一塁・一二塁・満塁・一三塁・二塁・二三塁・三塁)
・本塁打:8例 (無走者・一塁・一二塁・満塁・一三塁・二塁・二三塁・三塁)
となります.

当然のことながらそれぞれのシチュエーションをつくるためにもそれぞれの状態が必要なわけで,例えば三塁打が出れば次の選手の単打だけで点が入ります.
そして前記事にも書いたようにここに3死交代というルールが入ってきます.
どんなに単打で塁を埋めたり犠打・盗塁で塁を進めようとも,本塁に帰ってくる前に3死目がとられればチェンジになり,それまでに貯めた・進めたランナーはリセットされてしまいます.
そして以前にも書いたようにNPBでは打率が3割弱ということが通常ですから打てない可能性の方が高いわけです.
ですから,アウトやシチュエーションに関係なく得点に繋がり易い長打が得点との相関が高くなるのは当然の帰結ともいえるでしょう.

逆に,機動力野球の象徴的なものとして評価されることもある内野ゴロの間の得点やスクイズ・犠飛ですが,上記のようにこれらの得点をするためには“二死以外”で“三塁走者がいる”状態にしなくてはなりません.
仮に長打なしでの犠打を用いた得点を想定した場合,ランナーを進めるために犠打を使用すればアウトカウントが嵩み,犠打を用いなければ三塁に走者を進めにくくなるという,相反した状態になるわけです.

何度も書いていることですが改めて書いておくと,自分は犠打が不必要と言いたいのではありません.
選手全員が高長打率を残せるわけもなく,年棒や人材の面から言って犠打などを用いていくことも重要だとは思います.
ですが長打力を軽視して単打や犠飛を中心にするという発想は,得点するためにはむしろ非効率的になってしまう,というのが主旨です.

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