飯尾の駄文日記

広島東洋カープ 時々 東北楽天ゴールデンイーグルス ところにより一時 中国生活

“選手の見極め”のパラドックス

少し前に赤松選手がそれなりの打率を残しているにもかかわらず,相手投手によって起用されず,そのことがかなり批判されてきました.
その後,赤松選手の出場機会は徐々に増えたものの実際には打てない試合も多く打率は下がってきています.

これを見ていて思ったのが選手の見極めの難しさとその評価についてです.

首脳陣が,選手の調子の見極めに長けていたとしてもそれを評価するのは難しいのでないかと思います.
仮定の話になりますが,試合前の練習で野手の見極めが完璧にできて,シーズン通せば2割しか打てない選手でも4割打てるような投手にだけぶつけることができる監督・コーチがいたとしたら?

結果的には打率4割にもかかわらずレギュラーになれない選手ばかりになります.

要するに選手の見極めがうまければ上手いほど,傍からみると良い選手をベンチに置いているように見えるということです.
すなわち選手起用の才能があるほどにそれが評価されないということですから,これはなかなかに厄介なパラドックスですね.


もちろんこの場合は常に4割打てる選手が試合に出ていることになるのでそれで問題ないのですが,実際には打てない選手とあまり打てない選手を比べないといけない場合もありえます.
仮にA選手 (a投手には打率4割,b投手には2割) とB選手 (a投手には打率2割でb投手には2割5分) という選手らがいたとして,b投手相手の際にB選手を起用していたとすればどうなるでしょうか.
この場合,確率論から言えば2割と2割5分の選手のうちの確率が高い方の選手を起用しているのですが,成績からみれば打率4割の選手が控えに回って2割5分の選手がスターティングメンバーに名を連ねることになります.

というかこれはそのまま赤松選手と天谷選手をイメージしているのですが,勝つために確率の高い手を打っていたとしてもそこは評価されないということになります.

実際にはこれに守備力の観点なども加わりますが,改めて野手の起用の適切な評価は難しいなと思います.


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