飯尾の駄文日記

広島東洋カープ 時々 東北楽天ゴールデンイーグルス ところにより一時 中国生活

戦国パ・リーグを生み出したもの

2回続けてですが,先に頂いたコメントの返しの延長としての記事になります.

前記事でも言ったように,今のパ・リーグは全チームに最下位から優勝までの可能性が無理なく想定できる状況です.
無理なくというのは,自分の基準としては,「○○選手が予想以上の活躍をすれば」という言葉と「昨年不調だった××選手が復活すれば」,「昨年活躍した△△選手が今年も活躍すれば」といった仮定をそれほど多く使わなくてもチーム同士の戦力を均衡化できる状態を意味しています.

仮に今年のカープジャイアンツと客観的にみて同レベルの戦力にしようとすると,っていう例を書こうかと思ったのですがあまりにもアレなので書きません.察して下さい.


さて,では現在のパ・リーグではどうしてこのような戦力均衡化が起きたのか.
自分のコメントですが,
現在の状況が,<戦力の過渡期などが重なった偶然>によるものなのか,
それとも<リーグ全体の取り組み>によるものなのか,
そういったものを今のうちに分析していく必要があります

と書いたので,それに合わせて今現在自分の考えるその要因について書いておきます.

自分としては,偶然の要素も少なくないですが,幾つかの球団が戦略的な補強を行うようになったこともその一因だと思っています.
(ファイターズの戦力評価システムやイーグルスの費用対効果を意識した補強などがその好例です)

その背景としては,
1ネットなどの発達による情報の多様化とそれに伴う集客力の増加→
・どんなに強くてもセに比べれば客が少なかった時代に比べるとチームの強さが集客力に直結する可能性が増加した.
2経済状況による「高額な広告塔」の存在意義の低下→
・チームを強くする必要性が増し,且つ無駄な資金を使いづらくなった.
3補強手段の多様化→
・頭を使うことにより費用を抑えた効果的な補強も不可能ではなくなった.
などが挙げられます.

語弊があるかもしれませんが,昔はチームを強くする必然性も意義も薄く,また補強をするためには莫大な資金が必要であり,その手段も少なかったと言えます.

かつてはパ・リーグに人気がなく,無理に上位に進出しても観客動員数やメディア露出が劇的に増えるわけでもありませんでした.
また,広告塔としての存在意義が強かったため,多少の赤字でも気にされない場合が多く,査定などがどんぶり勘定であった話もよく知られています.
こういう状況では各チームのフロントは,親会社にお金があればどんどん使って補強を行い,お金がなければ下位に甘んじてあまりお金を使わずにいた方が合理的です.
もちろん,お金がないながらも上位進出を狙う球団はあったでしょうが,上位進出に対する意義も必要性も薄い状況では下位チーム全てがそういう状況になるというのは難しく,仮にそうなったとしても実際に強くなるのには補強手段の数が乏しかったと言えます.

一方,先述のように,球界再編問題の時期と前後して,さまざまな要因により費用を抑えつつチームを強くさせる意義が増し,その手段も増えていきました.
また,球界再編問題に伴うファンの意識の変化も影響を及ぼしていると考えています.
あの問題がなければ,現在のイーグルスのように堅実経営を目指すことに対して,ただのケチな球団だという印象を持つファンも少なくなかったのではないでしょうか.
(真に残念ながら,現状でもそういう認識の人はわずかながらもいるみたいではありますが…)
そういう意味では,あの球界再編問題は,パ・リーグ戦国時代における応仁の乱のようなものとも言えるかもしれません.


現状,パ・リーグでは,
ホークスがかつてのジャイアンツのような大量の資金によるチーム強化を,
対してファイターズやイーグルスが費用対効果重視のチーム強化を行っており,
その他のチームがエンドメンバーを見ながら最適なチーム強化を探っている印象です.

低資金でも上位進出を狙うチームが増え,且つそれが可能なことになったことにより,戦力均衡化が起きたのではないでしょうか.


…というのが自分の見解です.


ここからはカープの話になりますが,自分としては,ファイターズやイーグルス式の費用対効果重視のチーム強化を本来カープにこそやってほしいのです.
金がないのであれば,頭を使って,上位球団をひっくり返す.
それを期待して応援しているのです.
しかし実際には,OPSより打率を重視したり,FA補強に必要以上の意義を見出したり,有効性を論じないまま機動力野球に固執したりする.
金のない球団が印象のみや一昔前の発想に基づくことをしていては勝てる道理がありません.
前にも書きましたが,他球団を出し抜くような先進的な球団運営をお願いします.

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