飯尾の駄文日記

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STAP細胞について雑記の追記4 ある意味かわいそうな小保方さん

まぁ今回の騒動の根本的な問題は早稲田大学にあるよなぁと.

 

今回の事件を例えるなら,

教習所で,車の乗り方も教えてもらえずにでも免許を貰った.

そしたら,プロレーサーに抜擢され,モナコGPに出場.

もちろんまともに運転できるわけもなく,観客を巻き込んだ大事故を起こした.

みたいな感じですかね.

 

対比はこんな感じ.

教習所=大学・大学院

車の乗り方=研究の仕方・論文の書き方

免許=博士号

プロレーサー=理研のユニットリーダー

モナコGPに出場=Natureに論文投稿

大事故=今回の件

 

そこかしこにおかしな点があるのですが,根本は免許=博士号を出した似非教習所ですね.

早稲田がちゃんとした審査さえしてれば今回の件は無かったわけで*1

Introductionで文献引用が無いとか,不自然な点は多くあるのに通したということは,まともに審査してないとしか判断できません.

実質的に,早稲田大はディプロマミルをやっていますと宣言しているに等しいわけで.

何より真っ当に早稲田の博士号を取得したOB*2らこそ怒っているでしょうね*3

 

 

 

まぁある意味小保方さんはかわいそうにも思います.

これは似非教習所で免許を貰ったからというよりは,その程度のことを学ぶために大学院に行ったのかなと言うことに対して.

 

博士課程に進むということは,飛び級や早期修了がなければ順調に行っても博士を取る頃には27歳.

学部卒で就職すれば22歳,高卒なら18歳,と考えると5年から10年近く,ある意味では回り道をするわけです.

日本だと,博士号を取ったからと言ってリターンが大きいわけではなく,むしろ就職などを考えるとリスクが大きいため,優秀な人でも院に進むことをためらう人が多くいます*4

それでも研究をしてみたい,という人たちが院に進むわけです.

 

自分も院に進みましたが,幸いにも優れた研究者倫理と情熱を持った恩師と先輩・同輩に恵まれ,研究の苦しさと楽しさを思う存分味わうことができました.

博士修了後に研究者になる道は諦めて就職.

生涯賃金でみれば修士で就職していた方が良かったかもしれませんが,研究に熱中できたこの院時代は自分の大切な宝物です.

 

あの仕事を見る限り,多分かの方は論文を書くこと=切り張りするものだと認識していたのでしょうし,研究の苦しさや楽しさを教えてくれる人もいなかったのでしょう*5

わざわざ大学院に行って,その程度のことを学んだだけだったのだろうと思うと.

 

研究者にとって当たり前のことを当たり前に教えてくれる.

今までも勿論感じていましたが,恩師や先輩方・同輩達への感謝の気持ちを改めました.

 

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*1:もちろん,誤解のないように言っておくと,だから例の筆頭著者は悪くないということを言いたいわけでもありません.仮に上記の例通りの事件が起こったと場合,事故を起こした本人の責任が問われないということはないでしょう

*2:加えて最終的に博士課程満期退学になった人たち

*3:そのうち同窓会とかから声明が出たりするのでしょうか?

*4:因みに,中国だと博士号を取る=給料が上がる,なので優秀な人はほぼ博士課程に進みます

*5:指導教員や先輩はちゃんと教えたのに本人に大きな問題があった場合と,幾つかの研究所に同時に在籍する形であったため,実質的な指導教官が不在という状態になっていた,という可能性は一応考えられますが.ただ後者の場合,早稲田の指導教官が1時間でも論文に目を通せば済む話.実際は5分程度で不可解さに気づくとも思います.『優秀な研究者は論文を早く読める+学生指導をしている先生は研究に加え雑務で忙しいので不備の多い論文を読む時間が惜しい』ので,余程人の良い指導教官じゃ無ければ,その時点で突っ返されます